ナカニシ クミコ
Kumiko NAKANISHI
中西 久実子 所属 京都外国語大学 外国語学部 日本語学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2016/09 |
形態種別 | その他 |
査読 | 査読あり |
標題 | 逆接を表す「も」の特徴-VN(する)も、~」のヴァリエーション |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 日本語の研究 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 日本語学会,武蔵野書院 |
巻・号・頁 | 12(4),184-185頁 |
概要 | 接続助詞「も」は古典では動詞に接続して逆接を表すものとして用いられていたが,現代語では衰退し,「早くも」「少なくとも」など形容詞につく用法だけが残されているのみになっていた。しかし,現代語においては「病院に搬送するも死亡確認」のような逆接を表す「も」が用いられるようになってきている。本発表ではこの現象を指摘し,「するも文」の「も」の次のような特徴を明らかにした。「するも文」の「も」はVN(する)に接続することが多く,「にもかかわらず」「が」「けれども」などで表されるような逆接で前件と後件を結びつけているだけでなく、「も」の前後でミスマッチな事物が結びつけられており,意外だという話し手の主観的評価を表している。ニュース報道,新聞の見出し,テレビ番組の字幕など書きことばで用いられるが、特に,スポーツの実況アナウンスなど話しことばを同時に文字で表記する場合に多用される。「するも文」は,従属節内ではテンスや丁寧さから解放される傾向が強く,名詞相当のモノに接続しなければならない。「も」は前件と後件をモノとして結びつけているので,一見真性モダリティからは解放されているようにみえる。 |