ナカニシ クミコ
Kumiko NAKANISHI
中西 久実子 所属 京都外国語大学 外国語学部 日本語学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2025/03 |
形態種別 | 論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | 日本語学習者のフォローアップインタビューからわかる
短文と長文の「は」「が」の選択に関わる文法知識 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 無差 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (32),1-1頁 |
総ページ数 | 1 |
担当範囲 | 1-1 |
担当区分 | 筆頭著者 |
著者・共著者 | 中西久実子 |
概要 | 本稿では,日本語学習者が「は」「が」を使用する時に使用する知識が短文と長文で異なっていることを示す。論証に使用するのは,中級レベル・上級レベルの学習者を対象におこなった単純な構造の短い文と複雑な構造の長い文章の選択式のテストと,そのテストの後に実施したフォローアップインタビュー調査のデータである。
調査の結果,学習者は単純な構造の短文では「自動詞文」「可能を表す文」「受身文」「が好きだ」「が〜(し)たい」などの文型の主語には「が」を使う」というように文型に埋め込まれた「は」「が」をコロケーションとして暗記しており,その知識は自動化して安定的に使用できるようになっていることから,「手続き的知識」となっていることがわかった。 これに対して,学習者は複雑な構造の長文になると,「は」「が」を直感で選んでおり,正答になることがあまりない不安的な状況にあることがわかった。「主語には「が」を使う」というような抽象的な規則は知ってはいるものの、長文の複雑な構造の中で規則を使えていないので、この知識は「宣言的知識」に留まっているということが明らかになった。 |