フセ マサオ
Masao FUSE
布施 将夫 所属 京都外国語短期大学 キャリア英語科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2003 |
形態種別 | 論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | アメリカ大陸横断鉄道の建設構想―19世紀中葉から立法化までの議会動向を中心に― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 人間・環境学 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 12,143-158頁 |
概要 | 本稿では、1862年に初めて建設が立法化され、1869年に鉄道2社が連結して開通した大陸横断鉄道の建設構想を検討した。この鉄道の建設予定地については、南北戦争以前の1850年代から陸軍探検隊によって調査されていたが、その具体的な建設ルートは戦前には結局決まらなかった。にもかかわらず、戦時になるとその建設計画が比較的順調に決まったため、1862年(戦争2年目)における同鉄道建設の立法化は、合衆国が戦時中に中央集権化した例としてよく紹介される。しかしその実態は、ルート決定を長年紛糾させてきた南部選出議員の不在等に大きく依拠したものであった。一方、この鉄道を建設する目的は、戦前から戦時中まで一貫して主張されつづけてきた類型的なものであった。大英帝国の商業販路に対抗して、諸大陸間の交通路を完成するという壮大で世界的なものが目を引くが、この鉄道がアメリカの東西両岸を結びつければ国防や内戦の終結に役立つだろうという全国家的な目的も常に唱えられた。こうした建設目的は、合衆国における国家統合の可能性を将来に期待したものだといえよう。 |