イナガキ ツトム   Tsutomu INAGAKI
  稲垣 勉
   所属   京都外国語大学  共通教育機構
   職種   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2019/07
形態種別 論文
査読 査読あり
標題 困難課題の遂行において自尊心は支えとなるか?――顕在的・潜在的自尊心のバッファリング効果の検討――
執筆形態 共著
掲載誌名 教育テスト研究センター年報
掲載区分国内
巻・号・頁 (4),11-23頁
担当範囲 実験・分析および論文全体の執筆を担当。
著者・共著者 稲垣 勉・澤海崇文・相川 充
概要 人は,自尊心が脅かされるような困難な課題に直面しても,潜在的自尊心(Implicit Self-Esteem)が高ければ,それがバッファとして機能するためにネガティブな感情が生起しにくいことが先行研究において示されている(Fujii, Sawaumi, & Aikawa, 2014; Greenwald & Farnham, 2000など)。本研究は,これらの先行研究に基づき,潜在的自尊心のバッファリング効果に関する知見を加えるために検討を行った。また,潜在的自尊心の指標には複数のものが挙げられているため,本研究では3つの潜在的自尊心の測度を取り上げ,それらの相関関係も検討した。62名の大学生・大学院生を対象に実験を行った結果,潜在的自尊心および顕在的自尊心のバッファリング効果と言える結果は見出されなかった。本研究で用いたアナグラム課題が自尊心の脅威として機能したか否かには疑問が残るため,この点を踏まえた再検討が必要と考えられる。また,研究で取り上げた3つの潜在的測度について,尺度得点の高さは先行研究と一致していたが,各尺度間の相関係数はいずれも有意でなかった。