ウシジマ タカシ
Takashi USHIJIMA
牛島 万 所属 京都外国語大学 外国語学部 スペイン語学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2016/03 |
形態種別 | 論文 |
標題 | 国際法における広島・長崎への原爆投下の違法性と下田裁判 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 「戦争と平和」を知るための平和論序説:「世界平和教育の実態と本学における教育メソッド研究」成果報告書 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 平成27年度京都外国語大学国際言語平和研究所教育メソッド・教育コンテンツ研究 |
巻・号・頁 | 1 |
担当範囲 | 総頁数96頁 |
著者・共著者 | 牛島 万 |
概要 | わが国最初で唯一の原爆訴訟、下田事件裁判は、1963年、東京地裁は、原告の米国に対する損害賠償請求権は、日本国が講和条約で損害賠償請求権を放棄したため、原告の米国政府に対する損害賠償請求権は存在せず、また日本国政府にも補償責任はないとした。原告側は上訴することを断念したが、この判決が一定の評価を受けている理由は、法解釈の過程で、米国による広島・長崎への原爆投下が国際法に違反していることを認めたことであろう。国際法における原爆投下の違法性という、外国の国家実行の不法行為を認めた世界ではじめての、そして未だ唯一の事例という意味でそれは画期的な裁判であったといえよう。しかし、当該裁判は国際法上の事例として概して高い評価を受けており、従来、学説及び判例ともにこれに関心が集まっている一方、原告等が求める損害賠償請求権は見事まで完全に否決されたのであり、この点において、本裁判の意義が歪められてきた観がある。本論文では当該判決文と照らし合わせながら、その法的解釈の背景にある政治的実体を浮き彫りにし、かつ下田事件裁判の今日的意義について考察する。 |