Andrea Leonardi
Department Kyoto University of Foreign Studies Department of Italian Studies, Faculty of Foreign Studies Position Professor |
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Language | English |
Publication Date | 2021/01 |
Type | Academic Paper |
Peer Review | Peer reviewed |
Title | The Self-Reflecting Mirror:
On Nishida’s Early Logic of Basho |
Contribution Type | Single author |
Journal | 京都外国語大学『COSMICA』 |
Journal Type | Japan |
Volume, Issue, Page | (50),pp.29-49 |
Responsible for | すべて |
Author and coauthor | ◎Andrea LEONARDI |
Details | 画期的な「場所」概念は西田哲学の最も重要な発想である。西洋哲学からすれば、そのオリジナリティが有を包む「真の無の場所」という特徴にあると言えるが、場所は有を生むものでもあるため、肯定的な性質も持っていなければならない。拙論では、場所概念の成立と意味を分析し、その肯定的な性質を考えてみたい。自己を映す鏡として、場所は光で、自覚・自己同一・自己表現という再帰的構造を持って、それ以前の西田哲学に直接に繋がっている。そのため、あらゆる限定を超える場所は、真の無としてだけではなく、真の有としても理解され得るであろう。西田自身が、場所の思想の初期段階には、場所の神秘主義的な直観を認めて新プラトン主義の用語を借用していたのである。それ故に、晩年の西田哲学の場所的論理と異なった場所概念の発展も可能だったと言えるであろう。 |