オオコシ ツバサ
Tsubasa OKOSHI
大越 翼 所属 京都外国語大学 外国語学部 スペイン語学科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2021/12/11 |
発表テーマ | 「歴史の中のマヤ民族、現在(いま)、そしてこれから」 |
会議名 | 愛知県立大学地域連携センター公開講座 「新旧大陸文明遭遇の光と影:征服500年/独立200年のメキシコから未来へ提言」 |
主催者 | 愛知県立大学地域連携センター |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
単独共同区分 | 単独 |
招待講演 | 招待講演 |
開催地名 | オンライン開催 |
開催期間 | 2021/12/11~2021/12/11 |
概要 | マヤ人にとって、スペイン人による征服は、彼らの「既知」の枠組みの中で理解・処理されるものであり、「青天の霹靂、驚天動地」の事態ではなかった。また植民地時代に入ってからも、一見その王国は解体され、居住形態が大きく変わり、先住民はキリスト教徒となったのだが、彼らの空間認識は大きく変わることなく、また土地所有に関する概念も同様であった。権力を失ったかに見える王族は、対内的には隠然とした力を持ち、植民地政府公認の特権を享受し続けた。本講演では、いくつかの具体的な例をもとに、マヤ人達にとって、「征服」は単に新たな時代の序章であり、彼らが千年以上にもわたって培ってきた「知恵」をフルに働かせてこれに対応し、植民地時代を自らの論理に基づいて現実を読み替え、独自の意味を与えて新しい現実を生き抜いたことを述べたいと思う。植民地社会には、スペイン人が持ち込んだ世界観・宇宙観・宗教観の他に、これとは異なる先住民のものが共存しており、その間を行き来する先住民やスペイン人、その他の人々がいた、ある意味において様々な価値観がそれぞれの場を占める豊かな社会であった。メキシコの独立以降、「国民国家」形成のために、これが大きく改変していったが、この国の将来がさまざまな価値観、文化の共生にあることは言うまでもないことだ。 |