コンドウ ユミコ
Yumiko KONDO
近藤 優美子 所属 京都外国語大学 ランゲージセンター 職種 准教授 |
|
発表年月日 | 2019/12/07 |
発表テーマ | 従属節における補助動詞”しまう” |
会議名 | 日本語文法学会第20回大会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 学習院大学 |
概要 | 補助動詞“しまう”(以下“テシマウ”)は,従属節において,主節とは異なる現象をみせる。①補助動詞ではテシマウのみが前接動詞との間に助詞が挿入できないが,従属節では,終了用法(テシマウを含む動詞句の事態が終点に達したことを明示する)は助詞が挿入できる。一方,事態が想定外との評価を表す想定外用法は,従属節でも助詞を挿入できない。②補助動詞は原則的に独自のアクセント型を失うが,従属節では一部保持する。
この現象の検証に,いわゆる「文法化」の観点を援用し,次の2点を主張した。1.従属節で助詞が挿入できる終了用法は,助詞が挿入できない想定外用法より自立性を保ち,元となる動詞“しまう”に近い性質を有する。2.助詞挿入とアクセント型の保持は,テシマウが自立性を保つことを示すことから,この2つの現象がみられる従属節では,それがみられない主節と比べ,いわゆる「文法化」が進みにくいという仮説が示唆される。 |