キベ マサユキ
Masayuki KIBE
岐部 雅之 所属 京都外国語大学 外国語学部 ブラジルポルトガル語学科 職種 講師 |
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発表年月日 | 2024/10/27 |
発表テーマ | パウロ・オノーリオは日本語で語れるのか―グラシリアノ・ハーモス著『サンベルナルド』の試訳から |
会議名 | 2024年度 日本ポルトガル・ブラジル学会(AJELB) |
主催者 | 日本ポルトガル・ブラジル学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 共同 |
開催期間 | 2024/10/27~2024/10/27 |
発表者・共同発表者 | フェリッペ・モッタ講師(京都外国語大学) |
概要 | ブラジル文学を代表する作家グラシリアノ・ハーモス(Graciliano Ramos: 1892-1953)の作品は、推敲を重ね上げた装飾のない文体で知られているが、同国北東部地方に固有の要素(人間や風土、言葉など文化全般)がふんだんに盛り込まれているために外国語への翻訳は容易ではないと言われる。とはいえ、英語やドイツ語版のほか、日本語訳については最大のベストセラー小説『乾いた人びと』(高橋都彦訳、水声社、2022年)がすでに存在する(同書の訳者あとがきによると、あとは短篇「泥棒」があるのみ)。本発表で取り上げる小説『サンベルナルド(São Bernardo)』(1934年)の語り手パウロ・オノーリオは貧困層から農園主まで登り詰めた男で、地の文にしても直接話法にしても地方的な言い回し(Regionalismo)に溢れている。そのため、この登場人物の言葉を日本語に翻訳するにあたっては地方出身で、無教養な、野心深い50歳の男のキャラクターに配慮しなければならない。パウロ・オノーリオが日本語で語れるのかということについて、「役割語」の概念を援用しつつ、冒頭4章の試訳から人称代名詞や文末表現などを検討した。 |