タツミ リョウ
Ryo TATSUMI
辰巳 遼 所属 京都外国語短期大学 キャリア英語科 職種 講師 |
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発表年月日 | 2023/09/03 |
発表テーマ | メディアに描かられる戦後の他者表象とその変容 |
会議名 | Cultural Typhoon 2023 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 共同 |
開催地名 | 早稲田大学 早稲田キャンパス |
開催期間 | 2023/09/02~2023/09/03 |
発表者・共同発表者 | 林姿穂
アイシュワリヤ・スガンディ |
概要 | 本発表では、1960 年代から現代に至るまでのメディアに描かれる他者表象とその変容をヨーロッパ、アメリカおよび日
本映画を取り上げながら考察する。本発表で取り上げる他者には女性だけでなく、宗教的マイノリティーが含まれ、その他 者たちは共通して父権主義に対する無言の抵抗をしているように描かれている。 林は、第二次世界大戦後の映画界において、暴力・性描写の許容度が広がり、自立し支配力を持つ恐ろしい女性が頻繁に 登場するようになったことに注目する。本発表では、ポーの短編小説をもとに製作された映画『世にも奇怪な物語』(1967) の中に登場するファムファタルと原作の登場人物を比較しながら、第二次世界大戦後の映画作品に映し出される女性のイ メージの変容を明らかにする。 辰巳は、アメリカのモラルや感情と女性表象がいかに関わり、変容してきたのかをドラマ Clarice (2021) の中で、精神的 に不安定な存在として描かれるクラリスに注目し、クラリスの感情やモラル感覚がアメリカの枠組みにおいて脱領土化、脱 配置されるような存在として表象されているかを分析する。 スガンディは、21 世紀において、小説や映画の中で「他者を語る」ことが世界的現象になっているが、そのような現象を 背景に『沈黙』の再解釈を試みる。東西交流史という視点から遠藤周作の小説『沈黙』と日本におけるその小説の映画化 (1971)、 また英語圏 (2016) およびポルトガル語圏 (1996) での映画化を背景に、他者表象の変容を考察する。 これらの考察を通して、戦後、男性の不在を経験した女性や弾圧下におかれた他者が自立し、主体性をもつようになるま でのプロセスを明らかにしていく。 |