ラムスデン タカコ   Takako RAMSDEN
  ラムスデン 多夏子
   所属   京都外国語大学  外国語学部 英米語学科
   職種   准教授
発表年月日 2024/11/09
発表テーマ 映画ガイド作成プロジェクト実践報告 — 学習成果物としての Web サイト作成 —
会議名 第29回 映像メディア英語教育学会全国大会
主催者 映像メディア英語教育学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
開催地名 京都女子大学
開催期間 2024/11/09~2024/11/09
概要 一方向的に教員が知識を与える講義型学習ではなく、学習者が主体的・対話的に深い学びを行うア
クティブ・ラーニングは、英語教育だけでなく様々な分野やレベルの教育現場および企業等実社会で
も取り組まれている。本発表は、その一種であるプロジェクト型学習を、映画を題材として大学の日
英翻訳の授業で行った実践の報告である。プロジェクト成果物としての Web サイトの作成が、学習者
の動機づけに関係したかに特に注目する。
 授業は翻訳者養成ではなく英語力の向上が目的で、履修者は、英語を専攻とする大学2-4年生(2
クラス計 87 人)であった。習熟度としては約 8 割の学生が B1 レベルで、残りが B2 と A2 である。
ただし、リスニングとリーディングのみの TOEIC の点数をもとにしており、日英翻訳に重要なライテ
ィングの習熟度は、成果物から判断すると、そのレベルよりも低いと考えられる。
プロジェクトの最終目標は、英語を学習する大学生を対象読者とした「Bilingual Movie Guide」の作
成である。期間は5週間(1授業 100 分)で、23 グループ(各3-4人)に分かれ、各グループで1
つの映画を選び、日本語文作成と日英翻訳を行い、1ページの Web ページを作成した。最終的には、
2クラス分の学習成果として1つの Web サイトに集約し、全 23 ページ(23 の映画)の映画ガイドが
完成した。
 プロジェクトの成果物の作成には、簡易 Web サイト作成ツール「Google サイト」を使用した。この
ツールは無料で公開が可能であり、公開範囲を学内に限定することができる。作成には特殊な知識や
技能の必要がなく、使用法を検索すれば簡単に使用できる。
実践後アンケートでは、主体的・対話的なグループワークの取り組みに苦労したとしながらも、「達
成感」「クリエイティブ」「責任感」 「楽しい」といったポジティブなキーワードの記述が多く見られた。
また、Web サイト作成に関しては、大半の学習者が「人に見せるという最終目標」「クラス全体で1
つの成果物を作るという目標」があることで「やる気が出た」と答え、協働を通じた学習成果が形と
なって残り、それが実際に誰かの情報源として使用されるという意識が動機づけにつながったと考え
られる。
 英語力の向上という点では、成果物を見る限りでは「翻訳」自体の経験が少ないことから高く評価
できるとは言えないが、