ラムスデン タカコ
Takako RAMSDEN
ラムスデン 多夏子 所属 京都外国語大学 外国語学部 英米語学科 職種 准教授 |
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発表年月日 | 2025/09/27 |
発表テーマ | 『学び合い』の理念に基づく大学英語授業の実践報告 — 解説動画を活用した協働的学びの試み |
会議名 | 第30回ATEM国際大会 |
主催者 | ATEM(映像メディア英語教育学会) |
学会区分 | 国際学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
国名 | 日本 |
開催地名 | 東北大学川内キャンパス |
発表者・共同発表者 | ラムスデン多夏子 |
概要 | グローバル化および技術革新が加速する現代社会において、文部科学省は現行の学習指導要領において、従来の「教える」型教育から、生徒が自ら学びを深める「主体的・対話的で深い学び」への移行を目指し、学習者主体のアクティブラーニング型授業への改善を促している。アクティブラーニングの一手法である『学び合い』は、西川純氏の提唱する教育アプローチで、教師による直接的な指導をできるだけ減らし、学習者同士の交流を基盤として学習を進めるという協働的な学習観に基づいている。本発表で報告する実践は、この『学び合い』の理念に基づき中学校の数学授業で行われた福島哲也教諭の実践例を参考に、大学の英語授業に応用した試みである。対象は、英語専攻ではないCEFR A2レベルの大学1年生(1クラス40名弱)で、スピーキングとリスニングに焦点を当てた教科書を使用した。学生は、教科書に沿って教員が作成したワークブックに3〜4人のグループで取り組んだ。授業の進行や解説のための一斉授業は行わず、学生は教師作成の解説動画を視聴しながら、考え合い、教え合いながら学習を進めた。1ユニット3週間(1学期に全4ユニット)とし、ワークブック活動後には小テストとスピーキング活動を課した。実践の結果、対話を通じて自然に音読や発話活動が行われ、和やかで協力的な学習環境が形成された。また、学生同士の会話から、教師が予想していなかったつまずきや理解のズレを把握できる手がかりも得られた。一斉授業中心で学んできた学生にとって、『学び合い』を体験するのが初めてのケースがほとんどであり、新奇性による動機づけにつながる一方で、グループ活動への積極的な参加が難しい学生も一部に見られた。今後は、グループ内の役割や貢献度、学習意欲の変化などを観察し、より効果的な『学び合い』型授業のあり方を検討していきたい。 |