ナガハマ タクマ
Takuma NAGAHAMA
長濵 拓磨 所属 京都外国語大学 外国語学部 日本語学科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2017/08/05 |
発表テーマ | 堀辰雄『風立ちぬ』論―芸術的世界とキリスト教― |
会議名 | 第16回東北アジア・キリスト者文学会議 |
学会区分 | 国際学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 韓国・群山市 |
概要 | 『風立ちぬ』の話の中心となるのは、美しい長野の自然を背景として肺結核に冒されながらも懸命に生きようとする女主人公・節子と彼女を見守る婚約者の「私」の二人である。作者の堀辰雄と婚約者の矢野綾子がモデルであり、実際に矢野綾子を肺結核で失った衝撃が作品のモチーフとなっている。ただし、単なる自伝小説と異なるのは、婚約者の死をめぐるこの重大事件を作者は芸術的世界へと昇華させている点にある。とりわけ、キリスト教的イメージを物語世界のエッセンスとして利用していることは作者とキリスト教との「距離」を象徴する意味でも注目してよいだろう。 そこで本稿では、『風立ちぬ』を芸術的世界への昇華と、キリスト教との「距離」の2点から考察する。 |