コウノ ヒロミ
Hiromi KONO
河野 弘美 所属 京都外国語短期大学 キャリア英語科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2024/06/01 |
発表テーマ | メディアが創ったフローレンス・ナイチンゲールの『ランプを持った淑女』のイメージと19世紀イギリス社会およびナイチンゲールへの影響について |
会議名 | 京都外国語大学 言語文化表象研究会 |
主催者 | 言語文化表象研究会 |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
国名 | 日本 |
開催地名 | 京都外国語大学 |
開催期間 | 2024/06/01~2024/06/01 |
概要 | 18世紀後半以降のイギリスでは、産業革命による技術革新が加速し、『タイムズ紙』(1785~)が蒸気力稼働の印刷機により大量印刷を開始し、『イラストレイティッド・ロンドン・ニュース』(1842~1989)は、全面イラスト掲載という世界初の試みを実現した。19世紀に入り、文字だけでなく視覚で楽しむ新形態へと変容を遂げたメディアは、クリミア戦争(1853~1856)で看護団リーダーとして活躍したフローレンス・ナイチンゲール(1820~1910)を献身的で慈愛に満ちた19世紀の理想的女性としてのイメージをイラストとヘンリー・ロングフェローの詩で構築してく。しかし、実像のナイチンゲールは、野戦病院の設備不備の指摘と改善等を求め政府に意見を言う強い女性であり、その姿は構築された理想像と異なっていた。社会が求める理想のナイチンゲールと実像のギャップは、彼女自身により定期刊行物を通して訂正されていくことになる。本稿では、19世紀イギリス社会を背景に、どのようにナイチンゲールの表象が構築され変化し、社会や読者はどのような影響を受け、また、彼女自身が実像と理想像のはざまでどのように自身のイメージを訂正していったのかをメディアの役割を背景に論じていくことを目的とする。 |