エトウ ケイイチ
Keiichi ETO
衛藤 圭一 所属 京都外国語短期大学 キャリア英語科 職種 講師 |
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発表年月日 | 2024/09/23 |
発表テーマ | メディアに映し出される怒りの諸相 |
会議名 | Cultural Typhoon 2024 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 共同 |
概要 | 本発表では、歴史的資料、文学作品、映画作品など様々なメディアに映し出される怒りの諸相を歴史、文学、文化、言語学の視点から多角的に考察し、その変容の過程を辿る。
第一発表者のスガンディは戦国時代から1600年代にかけての、日本のキリスト教徒に向けられた怒りの諸相について論じていく。「踏み絵」や「処刑」などはキリスト教徒に対する怒りの表出の典型例であるが、鎖国を経てキリスト教との接触が絶たれ、国内の信者に対する怒りの諸相は変容を遂げる。本発表では元和の大殉教図や日本二十六聖人殉教図等の資料を提示しながら、その変容の過程を明らかにしていく。 第二発表者の林は19世紀のアメリカ人作家ナサニエル・ホーソーン の「火を崇める」(“Fire-Worship”)(1843)を読み解きながらホーソーンの文明批判について論じる。19 世紀中頃、気密性ストーブや蒸気船、蒸気機関車が人々の暮らしをより快適なものにし、火を起こすための石炭は生活に不可欠なものとなった。停泊している帆船に石炭を運び入れるという肉体労働に従事したホーソーンが、文明を加速させる火や石炭に対しどのような感情を抱きそれがどのように作品に描かれているのかを提示する。 第三発表者の辰巳は、「人間を超越した存在」をテーマにした映画作品である『マイノリティ・リポート』(2002・米)と『PSYCHO-PASS サイコパス』(2012・日)を取り上げながら、作品に描かれるモラルの形成やその変容について考察する。AIやプラットフォームが人間の感情やモラルを形成している現状を背景に、両作品を再解釈し、人間の実践を再考していく。 第四発表者の衛藤は、現代英語の中でもドラマや映画で使われる怒りないしは焦燥感を表す英語表現を中心に考察する。本発表では主に口語のレジスターに存在する表現に焦点を絞り、話者の音声や表情との関連性について考察していく。その上で意味論および語用論の視点からメディアに描かれる話者の怒りの表出の特徴を明らかにしていく。 |