オオコシ ツバサ
Tsubasa OKOSHI
大越 翼 所属 京都外国語大学 外国語学部 スペイン語学科 職種 教授 |
|
発表年月日 | 2020/11/15 |
発表テーマ | 「『記憶』(過去)と『いま・ここに』(現在)が出会う時:『土地権原証書』の使用をめぐる一考察」 |
会議名 | 古代アメリカ学会第10回西日本/第12回東日本部会合同研究懇談会 |
主催者 | 古代アメリカ学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | オンライン開催 |
発表者・共同発表者 | 大越 翼。コメンテーターは小林貴徳(専修大学準教授) |
概要 | 1557年ユカタン総督領マニ村で作成された「土地権原証書」は、その後植民地時代を通じて何回か筆写された。これは、証書に言及されている地域の先住民村落間に起こった土地争いの度に使用されてきたからである。興味深いことに、証書は係争中の境界線において「音読」されてもいた。本発表では、「音読」を現地で(in situ)で行っていたことと、テキストに用いられている「読み方」を指示するピリオドなどの記号との関係を、記された『記憶』(kahlay)を「いま、ここに」呼び覚ます媒体としての「土地権原証書」という観点から読み解く。これは同時にマヤの人々の時間の観念、過去と現在の融通無碍な関係にも関わる問題であり、その中で、1557年当時には具体的意味を持っていた「内容=記憶」は、証書が使用される後の時代には別の象徴的意味を持って語られ、同時にその「過去」を「いま、ここに」結びつける要素が必ず挿入されて、現在に重層的意味をもたらすのである。 |