ハヤシ シホ
Shiho HAYASHI
林 姿穂 所属 京都外国語大学 外国語学部 英米語学科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2013/02 |
発表テーマ | メルヴィルと肖像画:『ピエール』で描かれる父親像について |
会議名 | 日本アメリカ文学会中部支部 2月例会 |
主催者 | 日本アメリカ文学会中部支部 |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 大名古屋ビル会議室 |
発表者・共同発表者 | 林姿穂 |
概要 | Herman Melville の Pierre; or, The Ambiguities(『ピエール、またはその曖昧性』)はこれまで多くの批評家によって、メロドラマ的であり、近親相姦を描いたものであると指摘されてきたが、この作品における肖像画の意味については十分に議論されていない。作品中で頻繁に言及される父の肖像画とそれに対するPierreの心理描写を中心に読み解くと、父親像や父の威厳が女性たちの存在によって揺らいでいることがわかる。本発表では、1850年代において、人々が肖像画にどのような価値を見出していたのかについて論じると同時に、Pierreが肖像画を通して父の過去を知ることで、彼にとっての父親像がどう変化していくかを分析した。これらの考察を通して、当時のアメリカにおいて、肖像画が単なる家族への愛の証や崇拝の対象ではなくなりつつあったことを明らかにした。 |