フセ マサオ   Masao FUSE
  布施 将夫
   所属   京都外国語短期大学  キャリア英語科
   職種   教授
発表年月日 2005/11
発表テーマ 戦時産業動員と産業の自発的努力-1917年末の鉄道庁創設をめぐって
会議名 関西アメリカ史研究会 第43回大会
学会区分 地方学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
概要 本報告では、第一次大戦中のアメリカで実施された産業動員、なかでも先行研究が相対的に少ない鉄道産業の動員を検討した。鉄道産業は1917年末に公式に動員され、鉄道庁が創設されている。同年四月の参戦直後から鉄道産業の運営統合を試みたのは、民間組織の鉄道戦時委員会(RWB)であった。だが他省庁の干渉など多様な統合障害が働き、鉄道産業は約半年で崩壊に瀕する。これらの障害の克服にRWBが結局失敗する一方、「鉄道国営化論」が12月から政界で台頭し、ウィルソン大統領を説得して鉄道庁の創設に成功した。この結末は一見国家統制主義的だが、国家と民間による「自発的協力の相互補償」が生まれたという仮説を、本報告は提案したのである。