フセ マサオ   Masao FUSE
  布施 将夫
   所属   京都外国語短期大学  キャリア英語科
   職種   教授
発表年月日 2011/01
発表テーマ 組織にとらわれない個人-ゲティズバーグの戦いにおけるハーマン・ハウプト
会議名 関西日米交流フォーラム 第103回例会
学会区分 地方学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
概要 1863年夏のゲティズバーグの戦いに接したハウプトは、戦場周辺の輸送責任者としての実務に携わるばかりではなかった。南北両軍による主要戦闘が行われる7月初めまで彼は、ハレックら上官に対し、南軍の予想集結地や動向、そしてリーの認識の予測まで送信したのだ。主要戦闘中は本務に没頭して輸送網の修理や構築に努めたものの、戦闘直後からハウプトは、南軍追撃を電報や書簡で繰り返し進言した。なかでも、南部の補給列車をすばやく遮断する南軍補給路の切断によって、南軍に降伏を強制しようという後方責任者らしい追撃案が、何度も強調されたのである。このような種類の勧告は、戦術や戦略に関わるため、情報や作戦を担当する幕僚らが本来すべきものだろう。しかし彼は、少し反省しつつも、こうした協力活動を自発的、積極的に続けたのであった。したがって、連邦政府の権限が拡大したと最近の歴史研究でよく解釈される南北戦争期にも、民間人が臨時にその一員となって活躍する余地は、大いに残されていたのだ。