オオコシ ツバサ   Tsubasa OKOSHI
  大越 翼
   所属   京都外国語大学  外国語学部 スペイン語学科
   職種   教授
発表年月日 2021/03/27
発表テーマ 「マヤ系先住民通辞と征服−コルテスの『情報戦略』の系譜−」
会議名 第20回ラテンアメリカ研究講座「メキシコの征服者コルテス像の再考ー歴史学の視点からー」
主催者 京都外国語大学ラテンアメリカ研究所
学会区分 研究会・シンポジウム等
発表形式 シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
単独共同区分 単独
開催地名 京都外国語大学(オンライン開催)
発表者・共同発表者 大越 翼
概要 スペインによる新大陸経営は、当初より言語や文化の異なる先住民をどの様に植民地体制に組み入れるかが最大の課題であった。高度な文明を持った先住民社会が存在することが知れた1517年以降、遠征隊を率いるスペイン人はこれを強く意識していた。1517年、フランシスコ・エルナンデス・デ・コルドバはユカタン半島北東部でマヤ先住民を2人捕らえてキューバに連れ帰る。スペイン語を解するようになった2人を通じて大陸の先住民社会に関する情報を得たグリハルバは、翌年の遠征に彼らを同道し、遭遇したマヤ人たちとのコミュニケーションに使っている。さらに翌々年にはコルテスも彼らを連れて行き、1511年にユカタン半島東岸沖で難破し、漂着してマヤ王国の奴隷として生き延びていたスペイン人ヘロニモ・デ・アギラールを迎え入れる際に、重要な役割を果たした。タバスコ地方で得たマリンツィンという名の先住民女性とアギラールがアステカ王国征服に果たした役割は、有名である。スペインによる新大陸の征服・植民地経営には、先住民通辞が果たした役割が極めて大きく、彼らを使った巧みな「情報戦略」があったことは疑いない。ここでは、コルドバ、グリハルバ、コルテスらがどの様に未知の社会と対峙しようとしていたのかを、通辞をキーワードとして読み解きたい。